サービス残業対策に関しては、業種を問わず、基本的には変わらないと思います。よって、詳細はサービス残業対策のこちらのページに説明は譲ることにします。
ただ、シフト制で、24時間体制で看護をしなければならないような入院施設のある病院さんであれば、原則、変形労働時間制(詳細はこちら)を導入しなければ、法に抵触する可能性は高いと思います。法定労働時間として、1日8時間、1週40時間の縛りがあるので、深夜勤等で、1勤務の労働時間が8時間を超えるような勤務シフトになるのであれば、何らかの形で変形労働時間制を導入しなければならないでしょう。個人的には一ヶ月単位変形であれば、導入等も比較的容易で使い勝手もいいと思います。
あと、病院、クリニック等、医療機関で労働時間管理でよく議論になるのは、“更衣時間”の扱いについてです。この“更衣時間”について“使用者が労働者に対して一定の作業着等の着用を義務付けて場合には労働時間である” という最高裁判例があり、学説上もこの考え方を指示する見解が多いのが実情です。
よって、当事務所の見解としても、病院、診療所等でユニフォームや作業着に着替える更衣時間は労働時間としてカウントする必要があると考えます。
ということになるのであれば、この更衣時間はどのような形で労働時間管理をしていけばよいのでしょうか?単純に出勤時の更衣前にタイムカードを押し、退勤時の更衣後にタイムカードを押すというようにすればよいだけなのでしょうか?
このようなやり方であれば、無駄な人件費を創出する結果となってしまいます。純粋に更衣だけの時間はどうしても労働時間にカウントしなければなりませんが、更衣中に同僚とおしゃべりをしている時間や、病院側が勤務上身だしなみに気を配るように指示をしていたとしても、勤務時間終了後のデートなどの予定のために、お化粧を直している時間等も労働時間に含まなければならないことになってしまうからです。
よって、合理的な方法によって、更衣時間として適切な時間を割り出し、所定残業代、例えば“更衣時間手当”等の名称として支給する方法がよいと考えます。ただし、更衣時間として適切な時間の割り出しは非常に困難な作業だと思います。更衣といっても、男性職員と女性職員では身だしなみを整える時間も異なってくるでしょう。だからといって、男女間で所定残業代で格差をつけることは、労働基準法は許してません。(基準法4条:男女同一賃金の原則)
事業主さんとして頭の痛いところだと思います。
当事務所ではこういった、病院、クリニック、歯科医院等の医療機関さんや医療法人さんの労務管理上のアドバイスや就業規則作成、変更等にお力添えをさせていただいております。労働時間、労務管理等のご相談はこちらから。
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