年次有給休暇の時間単位での取得

年次有給休暇の時間単位での取得

年次有給休暇は日単位での付与が原則ですが、事業場で労使協定を締結すれば、年間に5日分を限度として、時間単位で与えることが出来るようになります。

例えば、所定労働時間8時間の事業所では、入社後6ヶ月で10日付与された有給休暇の使い方として、5日と8時間×5日=40時間というように、日数と時間数に区分した有給の付与ができるわけです。

主な留意点

 ・事業所の所定労働時間が7時間30分等の1時間未満の端数がある場合は、1時間の単位で切り上げてから計算しなければなりません。

  例)1日の所定労働時間が7時間30分で5日分の時間単位有給を付与する場合

端数の30分を1時間に切り上げ、1日8時間分の有給の付与としなければなりません。よって結果的に5日分=40時間の時間単位有給を付与しなければならないことになります。

 7.5時間×5日=37時間30分の分単位切り上げで38時間という考え方はできません。

 

・時間単位有給を導入した結果、前年度繰越分が時間単位で残ったとしても、当年度分の時間単位付与は5日分単位を超えることはできません。

 

  例)所定労働時間が8時間の事業所で、前年度繰越分が1時間だけ余っているケースでは、当該労働者に本年度付与される時間有給は8時間×5日分+1時間=41時間では、5日分の40時間を越えてしまいますので、法違反となります。この場合は8時間×4+1=33時間が時間単位付与のマックスの時間数になります。

 

 ・労使協定に記載する内容は以下の4点です

 @対象労働者の範囲

 A時間単位で付与する日数

 B時間単位年休の1日の時間数

 C1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

 *対象労働者の範囲については正常な事業の運営との調整を図るための措置に限り定めることができます。よって、取得目的を理由に対象労働者を限定したり、また正常な事業運営の調整と全く関係ないような制限、例えば、“(何の理由もなく)パートタイム従業員は適用除外とする”というような協定をするようなことはできません。 

この記事は私が書きました

児島労務・法務事務所 代表 児島登志郎
 社会保険労務士・行政書士
 組織心理士・経営心理士(一般財団法人 日本経営心理士協会 認定)

 元大阪労働局 総合労働相談員
 元労働基準監督署 協定届・就業規則点検指導員


 社会保険労務士として開業する傍ら、大阪府下の労働基準監督署にて総合労働相談員、就業規則・協定届点検指導員を計10年間勤める。
その間に受けた労使双方からの相談数は延べ15,000件以上、点検・指導した就業規則、労使協定届の延べ総数は10,000件以上に及ぶ。
圧倒的な数量の相談から培った経験・知識に基づいた労使紛争の予防策の構築や、社員のモチベーションを高める社内制度の構築を得意分野としている。

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