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就業規則の裁判例における定義
就業規則は裁判例において、2つの考え方で定義付けられています。
1.事業主が労使関係を組織付け秩序付けするための、事業場内の法律同様の規範性のあるもの
2.事業場における労働条件を統一的に制定し、労働保護法の目的実現のために、法律同様の規範性があるもの
1の考え方をもう少し補足しますと、事業主と労働者との間に労働契約が成立すると、必然的に、事業主はその労働者に対しての指揮命令の権限が伴うわけです。しかしながら、会社組織、企業組織においては、一人(または少数)の事業主が多数(または複数)の労働者を指揮命令しなくてはならないわけです。指揮命令権の中には、服務規律規定や配置転換や懲罰規定なんかも含んでの権限になりますから、それだけ多くの項目を個々の労働者との労働契約で管理していくとなると実質は困難になってくるわけです。
そこでその指揮命令権を事業所内で画一的、定型的にするために就業規則を規定するという考え方になります。事業主の指揮命令権に基づいて、作成された就業規則の各規定は労働者に周知をさせることによって、事業主の指揮命令が労働者を拘束することになるわけです。
また、労働基準法106条に定められた周知の方法で労働者に就業規則を周知させている以上、労働者が“そんな規定を知らなかった”と言い訳したところで、そのような言い訳は通用しません。
周知されていれば、労働者が怠慢でその規定を読んでいなかったとしても、その規定に当然拘束されるわけです。
この記事は私が書きました
児島労務・法務事務所 代表 児島登志郎
社会保険労務士・行政書士
組織心理士・経営心理士(一般財団法人 日本経営心理士協会 認定)
元大阪労働局 総合労働相談員
元労働基準監督署 協定届・就業規則点検指導員
社会保険労務士として開業する傍ら、大阪府下の労働基準監督署にて総合労働相談員、就業規則・協定届点検指導員を計10年間勤める。 その間に受けた労使双方からの相談数は延べ15,000件以上、点検・指導した就業規則、労使協定届の延べ総数は10,000件以上に及ぶ。 圧倒的な数量の相談から培った経験・知識に基づいた労使紛争の予防策の構築や、社員のモチベーションを高める社内制度の構築を得意分野としている。
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大阪の社労士、行政書士の児島です。私は10期勤めた労基署の相談員時代に、通算件数15,000件以上もの労働相談を受けてきました。また、年間に300件以上の民間企業・法人の就業規則のチェックを行っており、これらの経験で培った、労働トラブルの予防に対する引き出しの数の圧倒的な多さが当事務所の武器です。