『働き方改革』関連法ーその概要

抜本的な労基法改正を含む『働き方改革』を推進する法律案が国会にて可決!!

 かねてから国の懸案となっていた、『長時間労働の是正』『多様で柔軟な働き方の実現』『雇用形態に関わらない公正な労働条件の確保』を謳った働き方改革法案が第196回の通常国会にて可決されました。

 平成31年(2019年)4月より順次施行されていくことになります。

 施行されれば労働基準法や労働安全衛生法に非常にインパクトがある改正となります。

 長時間労働の是正等で中小企業、企業の人事総務の方々にも労務管理の見直しにかなり負荷がかかりそうな改正となる模様です。

 法改正に懸かる部分をかいつまんで解説していきます。

 

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1.長時間労働是正における改正部分

 a)労働時間に関する制度の見直し(労働基準法、労働安全衛生法)

 ・時間外労働の上限を原則1ヶ月45時間、年間360時間以内とし、臨時的、突発的な事情がある場合も年間720時間以内、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月の平均80時間以内としなければならない。

 *ただし、建設の事業に従事するもの、自動車運転の業務に従事するもの、医師等については適用に猶予期間を設ける

 *中小企業については猶予措置あり

 ・10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、5日分については毎年時季を指定した上で取得させることを事業主に義務化

 ・60時間超の時間外労働に対する割増率(50%)の中小企業への優遇の時限措置の撤廃。

 ・高度プロフェッショナル制度(年収1075万以上の労働者の労働時間規制の対象外とする制度)を創設する。ただし、高度プロフェッショナル制度の対象者であっても健康確保措置実施の対象となる

 ・時間外労働が限度時間を超えた人の健康確保措置の実施義務

 ・健康確保措置実効の観点から(管理監督者を含む)全ての労働者を対象とした労働時間の把握義務

 ・フレックスタイム制清算期間の見直し

 

 b)勤務間インターバル制度の普及、促進(労働時間等設定改善法)

  前日の終業時刻と翌日の始業時刻に一定の休息時間を設けるよう努めめなければならない(事業主側に対する努力義務化)

 

 2.雇用形態に関わらない公正な待遇確保(同一労働同一賃金)の改正部分

                   (パートタイム労働法、労働契約法)

 a)公正さを欠く待遇格差解消のための規定整備

 ・非正規雇用者と正規雇用者の個々の待遇について、待遇に差があるようであれば、それらの待遇の目的や性質に照らし合わせて適切か否かを判断する。

 ・有期労働者の均等待遇規定の整備

 b)非正規労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

 ・短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者について正規雇用者との待遇格差(内容・理由)の説明を義務化

 c)行政による履行確保措置と裁判外紛争解決手続きの提供(ADRの設置)

  『不合理な待遇格差』があった場合および説明義務等に関しての行政側の履行確保措置とADR制度の設置について

 

 施行日について)

 1.“長時間労働の是正部分”については平成31年(2019年)4月1日より

  *時間外労働の上限規制については中小企業に対しては令和2年(2020年)4月1日より

  *中小企業の60時間以上の割増率の優遇の解除については令和5年(2023年)4月1日より

 2.“雇用形態に関わらない公正な待遇の確保”については令和2年(2020年)4月1日より

  *中小企業におけるパートタイム労働法、労働契約法の改訂部分の適用は1年間猶予の予定

 

 猶予の対象となる中小企業とは…)

業種 資本金または出資金の額  

常時使用する労働者数(企業全体)

小売業 5,000万円以下 または 300名以下
卸売業 1億円以下 100名以下
サービス業 5,000万円以下 100名以下
上に挙げた以外の業種 3億円以下 300名以下

 今回の改正の核はやはり、“長時間労働の是正”ということになるでしょう。

 残業時間に法律により制限が課せられるため、経営者としてはこれまでの成果を維持しながら、法改正の施行までに従業員の労働時間をどのように減らしていくのかという部分に着手しなければなりません。

 当事務所では、科学的手法を使い、生産性向上による残業時間の削減を実現できる解決策があります。

今回の法改正で、“何をしたらいいのか?どこから手を付けていいのかわからない…”という経営者の方は多いと思います。当事務所でそういった経営者の皆様に今回の法改正の概要と対応策について、ご説明にお伺いさせていただいており、初回のご相談は無料とさせていただいております。(遠方の場合は交通費応相談)お問い合わせフォームよりリクエスト、ご予約下さい。

この記事は私が書きました

児島労務・法務事務所 代表 児島登志郎
 社会保険労務士・行政書士
 組織心理士・経営心理士(一般財団法人 日本経営心理士協会 認定)

 元大阪労働局 総合労働相談員
 元労働基準監督署 協定届・就業規則点検指導員

 

 社会保険労務士として開業する傍ら、大阪府下の労働基準監督署にて総合労働相談員、就業規則・協定届点検指導員を計10年間勤める。 その間に受けた労使双方からの相談数は延べ15,000件以上、点検・指導した就業規則、労使協定届の延べ総数は10,000件以上に及ぶ。 圧倒的な数量の相談から培った経験・知識に基づいた労使紛争の予防策の構築や、社員のモチベーションを高める社内制度の構築を得意分野としている。

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