企業内組合と合同労組

合同労組からの団体交渉要求も無視できません!!

 

 厚生労働省の“労働組合基礎調査(平成30年)”によると平成30年6月の国内の全雇用者に占める労働組合員の割合(これを推定組織率といいます)は17%で、労働組合に入っているのは5人に1人に満たないということになっています。

 また、その組合に加入しているほとんどが、企業内組合の組合員であろうかと推測されます。 

 

 我が国主流の労働組合として、この企業内労働組合というものが存在し、通常“労働組合”と聞いてまず思いつくのはこちらの方ではないでしょうか。

 これは企業ごとにその従業員を中心に組織されたもので、従業員1000人以上の大企業では、労働組合の組織率が41.5%とかなり高い数字となっています。

 

 こういった大企業では“ユニオンショップ協定”といって、従業員が入社する際に同時に組合員の資格を得るようなシステムを導入している場合が多く、管理職以下の従業員は全てが組合員となっているケースが非常に多いのです。よって、こういった企業内組合というものは基本的に会社、経営者と運命共同体のようなものでベクトルの向きが同じになりやすい傾向にあり、企業と良好的な関係を維持しているケースがほとんどです。

 

 この企業内組合とは別に、職種や産業に関係なく、中小企業の従業員を中心に横断的に構成されている労働組合が合同労組(ユニオン)と呼ばれるものです。

 

 合同労組は企業内組合と違い、、会社の処遇に不満のある少数派(時にはその企業に一人だけ)の組合員の労働条件の向上、あるいは解雇などの駆け込みの場合は、個別紛争事案の解決に伴う交渉が中心となってくるので、企業とのベクトルの向きを同一にするということはありえず、企業内組合と違った内容の交渉になってきますので、うまく妥結するの難しいケースも考えられます。

 

 また、合同労組のトップや団体交渉を受け持つ担当者は、企業の内情に精通していないため、社内の慣行や共通認識などを理解せずに交渉に入ることが多く、企業側の視点から見れば、団体交渉での要求事項が理不尽で過激とすら感じることがままあるのではないかと思います。

 

 また、組合の団体交渉や対応を経験したことがないような、中小企業の事業主や人事担当者から見ると、“なぜそんな会社外部の人間と交渉を持たなければならないんだ!!”という感情を持たれる方もおられることと思います。

 

 しかしながら、例え会社外部の人間であったとしても、正規の労働組合である以上は事業主としては誠実に団体交渉に応じなければ、労働組合法7条に違反する行為(いわゆる“不当労働行為”と言われるものです。)となってしまいます。

 

 このように団体交渉が不可避なのであれば、どのように対応していけばよいのでしょうか?

 

 労働組合との団体交渉の対応策を次の記事以降で見て見ていきたいと思います。

 

 当事務所では、初期段階での労働組合の対応策を提案させていただいております。

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この記事は私が書きました

児島労務・法務事務所 代表 児島登志郎
 社会保険労務士・行政書士
 組織心理士・経営心理士(一般財団法人 日本経営心理士協会 認定)

 元大阪労働局 総合労働相談員
 元労働基準監督署 協定届・就業規則点検指導員

 

 社会保険労務士として開業する傍ら、大阪府下の労働基準監督署にて総合労働相談員、就業規則・協定届点検指導員を計10年間勤める。 その間に受けた労使双方からの相談数は延べ15,000件以上、点検・指導した就業規則、労使協定届の延べ総数は10,000件以上に及ぶ。 圧倒的な数量の相談から培った経験・知識に基づいた労使紛争の予防策の構築や、社員のモチベーションを高める社内制度の構築を得意分野としている。

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