休職規定の整備と期待できる効果ーその3

復職の判断基準に関すること

 

 復職に関する決め事も、休職規定の整備に関しては重要事項の一つとなってきます。一番よく問題になるケースは、休職中の従業員の主治医の見解と会社側の復職に求める回復基準にずれがある、ということです。主治医が“就業可能”との診断書を発行しても、休職前のように職務遂行能力が回復しているとは限りませんし、メンタルヘルス不全の場合は“回復した”との本人の申出があって、一旦復職しても、同様の症状にぶり返してしまうということがままあります。

  主治医から復職可能の診断を受けて、復職したとしても、復職後欠勤を繰り返すようなことがあるのであれば、周りの士気にも影響してくることもあり得るわけですし、そういった健康状態の従業員を通常の状態で就業させるとなると、会社側の安全配慮義務違反だと言われかねません。 

 こういったトラブルを避けるためにも、復職に関する要件に、本人の主治医以外に、産業医や会社が指示する医師の診察を受けさせる旨の命令権を確保し、場合によっては、診断書の提出を求めるような規定を設けておいてもよいと思います。 その際に診断書の料金をどちらが負担するかという部分まで含めて規定に設けておけばいいでしょう。

 また、“復職後も欠勤を繰り返す”ような従業員に対しては、欠勤日が通算XX日に達した場合に再度の休職を命じることができる規定を、会社側の命令権確保のために設けておきたいところです。

  加えて、もしも会社側の余裕があるようであれば、リハビリ出勤(慣らし勤務制度)のような制度を導入し、一定期間業務に耐えうるくらいに回復しているかどうかをチェックする期間を設けてもよいかもしれません。

 そして、こういった状況を踏まえた上で、最終的に復職の判断は誰が行うのかという部分まで規定しておくべきでしょう。もちろん、復職判断は会社側がイニシアチブを持ってすべきです。 

 

 休職規定の整備はメンタルヘルス関連の労使紛争予防に不可欠になっています。当事務所でもハラスメント規程を含む休職規定の整備にお力にならせていただきます。

 

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この記事は私が書きました

児島労務・法務事務所 代表 児島登志郎
 社会保険労務士・行政書士
 組織心理士・経営心理士(一般財団法人 日本経営心理士協会 認定)

 元大阪労働局 総合労働相談員
 元労働基準監督署 協定届・就業規則点検指導員


 社会保険労務士として開業する傍ら、大阪府下の労働基準監督署にて総合労働相談員、就業規則・協定届点検指導員を計10年間勤める。
その間に受けた労使双方からの相談数は延べ15,000件以上、点検・指導した就業規則、労使協定届の延べ総数は10,000件以上に及ぶ。
圧倒的な数量の相談から培った経験・知識に基づいた労使紛争の予防策の構築や、社員のモチベーションを高める社内制度の構築を得意分野としている。

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